ワールドベースボールクラシック(以下「WBC」と記す)への参加については、ワタシは基本的に賛成の立場です。少なくとも、MLBがこれまでハナもひっかけなかった他国のチームが同じ土俵に上がることになるわけですから。近年かなりのレヴェルで人材は流動化されてはいますけど。
では、この時期にこのイヴェントが提唱された理由は何か?アメリカチームがアテネ五輪の予選で敗退し、さらにはオリンピックから野球が外されることになったのがアテネ直前であったというタイミングを考えれば、当然オリンピックと無関係ではないでしょう。
なぜなら、しょせんオリンピック(サッカーのW杯もそう)は欧州のものであり未来永劫欧州が主導するイヴェントだからです。アメリカは歴史の面でも他国との結束力においても彼らには敵いません。何しろ奴さんたちゃEUを結成して統一通貨まで作っちゃうぐらいですから(笑ぃ ニッポンを抱き込んだぐらいじゃ到底太刀打ちできるもんじゃありません。まして、アメリカはイラク空爆で中東諸国から嫌われているじゃないですか。一部とはいえ地続きの欧州から見れば、自分たちがアメリカの身代わりになってテロの被害を受けているんだ的意識があっても不思議じゃないでしょう。ゆえに、アメリカが現在の強硬姿勢を続ける限り欧州からはさらに疎んじられて、世界的なスポーツイヴェントも近い将来ボーダーレス化と逆の現象…例えば東西対立がモスクワ五輪のボイコットにつながったような出来事が起こるのではないかと考えます。その対立の図式が欧州対米国(及びその同盟国)に変わるということです。
そこでワタシは、アメリカが主導する&できるだけ孤立を避ける(同盟国という名の"手なずけられる国"を増やす)ために仕掛けたのがWBCでは…と推理するわけです。参加国を見渡せば、その大半がMLBに人材を送り込んでいる国です。開催地もアメリカ、中南米、そしてニッポン。開催時期も3月という、まだまだ雪解けには遠い時期の欧州を軽視しているのは明らかです。アテネ五輪の野球チームが出場したのはイタリア・オランダ・ギリシャです。欧州からWBCに参加するのは、そこから実質白星配球係になったギリシャが外れただけの二ヶ国。サッカーW杯みたいに予選をやってこの結果ならともかく、選出のプロセスにおける透明性に欠ける印象があります。飛躍しすぎかもしれませんけど、WBCって最終的にアメリカの環太平洋戦略の一環じゃないかなんて考えたりする今日この頃です(笑ぃ
あれっ…なんか最初の意図とずいぶん違う方向に行っちゃったなぁ。ホントは、NPBあるいは実行委員会が選手の選抜や監督の選任にどう関わったのか突っ込もうと思ってたんだけど、まいっか(苦笑