ツイッターでshi_naというアカウントを取得されている方が「恋人が行方不明であるから」という理由でツイッターやらブログやらSNSなどで捜索を呼びかけ、逮捕という形とはいえ探し人は確保された…らしい。
この件が事実であるかどうかの検証手段を持たない者にとっては、自作自演あるいは狂言でないのか?の疑念がどうしても拭い去れない。単純によかったねと言って済まされる問題ではない。
理由は以下のとおり。
まず、情報の客観性が担保されていないこと。警察が公開捜査に踏み切る旨などを発表したというのならともかく、どうやってこれを「事実」と判断せよというのか?
ワタシは、こうした直接人命に関わるあるいは社会的影響の大きい情報は、最低限、官公署などの公的機関あるいはこれに準ずるもの(運輸、通信、エネルギー関係などの社会資本整備に関わる公共性の高い企業)が一次情報の発信者でなければならないと考える。少なくとも、こうした組織が「悪意をもって」情報を流すと言うことは常識及び社会規範に照らしてもあり得ないし、万一そういう事態が起きても、あらかじめある程度責任の所在が明示されているのだから、一私人が発信するそれとは信用という点で比較にならないことは論を待たない。営利企業といえども免許制であり高い公共性が求められることから、放送局もこれに含めていいだろう。当事者しか知り得ない情報であるからという理由だけで事実であると信じ込んでしまうのは危険ではないか。そもそも「当事者しか知り得ない」かどうかすら判断する材料がないのだから。
さらに、当然のことながら犯罪に流用可能。これが定着してしまうと、目的次第ではある特定の場所に人を集めることができてしまう。あるいは特定の人物をおびき出し…などということもできるだろう。昨年の11月頃にツイッター公式のアンケートで「個人を特定できる情報を掲載しているか」の問いに4割近くの人がyesと回答していたことに驚愕した(事実かどうかはさておき、ワタシが見た時点ではそーいう数字が表示されていたしツィートもした)ことがあったが、ワタシも含めて、プロフィールに性別を記載、あるいは性別が判断できる記述をしているヒトも相当数見受けられる。性犯罪に使おうと思えば使えてしまうだろうに。まぁ、こういった危険性はツイッターやらのネットに限った話ではないが。
これらの情報が出回ったのは、基本的に匿名コミュニティである。先に責任の所在という表現を使ったが、こういった場所における「それ」はあってないようなもの。ツイッターでも現首相のなりすましが出現したことを忘れたかな?だからといって、ことさらに危険をあおる報道を真に受けない方がいいには違いないが(あれっ前に書いたことと矛盾しているような??w)。
今でこそ各種の啓蒙活動で下火となったが、チェーンメールというものが流行ったことがある。今回のRT(ReTweet)も全く同種の事件。「チェーンメール」を知らないヒトは、代表例をいくつか挙げたので一刻も早くこれを読むよろし。ってか嫁。
チェーンメール(Wikipedia)
「『RH-の血液が足りない』チェーンメールに振り回される善意」(JanJanニュース)
「犬の里親を探しています」というチェーンメール(Internet Watch)